今、虐殺と加担を止めるためにできる3つのこと（1.25アルタ前での発言全文）

＜イスラエルは虐殺やめろ！即時停戦！1.25アルタ前アクションでの発言＞

今、虐殺と加担を止めるためにできる3つのこと

　　　　　　　　　　　杉原浩司　武器取引反対ネットワーク（NAJAT）代表

　寒いですが、気合いを入れて発言します。私たちができることを3つお伝えします。
　第一に、明日1月26日の日本時間で21時から、南アフリカがイスラエルをジェノサイド条約違反で国際司法裁判所（ICJ）に提訴した件について、仮保全措置を命じるかの判断が出ます（注）。どういうものになるか分かりませんが、非常に大きな意味を持ちます。ただ、仮に停戦せよと命じても、ICJには直接イスラエルに命令を強制する手段はありません。ですから、私たちがやるべきことは、まずそれぞれの政府に対して、それをやらせるような強い措置を取らせることだと思うんです。
　日本政府がやるべきことはイスラエルへの制裁です。ネタニヤフ首相の資産凍結だったり、イスラエルにいる日本大使の召還、呼び戻すこと、あるいは逆に駐日イスラエル大使館の大使などを追放すること。さらには、日本とイスラエルの投資協定や軍事協力の覚書を破棄することです。やるべきことはいくつもあります。本来ならもっと早くこうしたことをやらせるべきでした。このタイミングで必ずやれと声を上げましょう。
　それから、可能であればイスラエル大使館に行くなり、あるいはイスラエル大使館にメールやFAX、電話するなりして、ICJの命令に従えという声をぶつけることも必要です。
　二点目は、停戦させ、日本政府や企業の虐殺加担を止めるためにできることにBDS（ボイコット、投資引き揚げ、制裁）があります。とりわけ今、問題にしているのが、日本の軍需商社2社、伊藤忠商事の子会社の伊藤忠アビエーションと日本エヤークラフトサプライが、イスラエル最大の軍需企業であるエルビット・システムズと武器売り込みに協力する覚書を交わしていることです。これをやめさせるためのボイコット（不買）です。
　具体的には、伊藤忠商事が50％以上の株を持っているファミリーマートの自社製品のボイコットであり、「ファミマル」という食品、コーヒーなどの「ファミカフェ」です。さらには、ジーンズのエドウィン、Lee、ラングラー、それにプリマハム、スポーツ用品のアンダーアーマー。こういうものを絶対に買わないという声を拡げてください。今、力を集中して一日も早く断ち切ることが加害をやめるために最優先すべきことです。
　最後に三つ目。昨年12月22日に日本政府は、わずか12人の与党議員による密室協議に基づいて、ライセンス（使用許諾）品などの殺傷武器を輸出することを勝手に閣議決定しました。ライセンス元はアメリカやドイツなど欧州諸国です。アメリカやドイツは今、イスラエルに武器を輸出しています。日本が出した武器がそのままイスラエルに行かなくても、備蓄を補うことでアメリカやドイツによるイスラエルへの武器輸出を促進することになります。これは虐殺への加担です。
　さらに、部品の輸出も可能になりました。例えば、F16戦闘機のエンジンをIHIが輸出すれば、それを組み込んだF16がイスラエルに輸出され、ガザへの空爆を行うかもしれません。これも大きな加害行為です。
　さらに日本政府は、「国際法違反の侵略を受けた国」に非殺傷武器を出すとしています。しかし、これも茶番です。「基準はない」と政府高官が言っていますし、それ以前に日本政府は、イスラエルによるジェノサイド・民族浄化を「国際人道法違反」とすら認めていません。そんなデタラメなやり方で武器の輸出を行おうとしています。
　最後に、まだ決着しておらず、これから密室協議が再開されますが、日本とイギリス、イタリアによる次期戦闘機の共同開発についてです。その完成品を第三国に出すかどうか、公明党は今、慎重姿勢を示していますが、妥協して決まってしまう恐れがあります。もしそうなれば、日本製の戦闘機がイスラエルやサウジアラビアに輸出されるかもしれません。そうなると、ガザやイエメンへの空爆のような戦争犯罪に使われていきます。
　今、私たちは起きてしまった戦争、虐殺を止めるのは大変ですが、起きる前に、戦争犯罪につながる武器開発をやめさせるべきです。今日できること、明日からできることをやっていく。こうした事実を伝えて、もっともっと大きなうねりにしていきましょう。