杉原こうじのブログ2

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司の綴るブログです。こちらのブログ https://kosugihara.exblog.jp/ の続編となります。

上智大学公開セミナーでの黄川田仁志自民党国防部会長との質疑採録

右奥が質問する杉原


質疑で答える黄川田仁志衆議院議員。右は前嶋和弘教授、左は東大作教授。


2024年度上智大学グローバル教育センター主催連続セミナー(東大作教授)

「人間の安全保障と平和構築」第1回での質疑応答

 

<杉原浩司>

 「人間の安全保障」の「人間」にパレスチナ人は入っているのでしょうか。防衛省が現在進めている無人攻撃機の導入において、候補機7機中の5機までもがイスラエル製であることが明らかになっています。川崎重工、日本エヤークラフトサプライ、海外物産、住商エアロシステムが輸入代理店となり、既に実証試験だけで全体で100億円の税金が投入されています。しかも、候補機を選んだのは、ガザで25000人以上が虐殺されていた1月末です。

 国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対して、ジェノサイドを防止するためのあらゆる措置をとれ、という仮保全命令を出し、上川外相も「(命令は)誠実に履行されるべきである」との談話を出しました。これらを理由に、伊藤忠商事は子会社によるイスラエル最大の軍需企業であるエルビット・システムズとの協力覚書を終了させました。民間企業にできることがなぜ政府にできないのでしょうか。

 まもなく、国際刑事裁判所ICC)がネタニヤフ首相らに逮捕状を発行すると報じられています。こうしたイスラエルから、よりによってこのタイミングで、パレスチナ人を実験台にしてその命と引き替えに開発された血のしたたるような武器を購入することは、日本が虐殺に目をつぶること、むしろ虐殺に加担するというメッセージを国際社会に送ることになりかねません。

 そして、税金が投じられる以上、私を含む納税者、主権者、ここにおられる学生の皆さん一人ひとりの手も血に染まることになります。少なくとも私は、そのことに耐えられません。

 ただちにイスラエル製の殺人ドローンの輸入を中止すべきと考えますが、いかがでしょうか。もしできないのなら、納得できる理由を示してください。

※輸入代理店の部分を補足しました。

 

黄川田仁志衆議院議員自民党国防部会長)>

 厳しいご意見だ。ここで明確な回答をすることはできない。国として研究し、どの国から購入するか慎重に考えた結果だろう。新しい視点をいただいたので、防衛省にどうして選んだのか、しっかり聞いてみたい。ただ、性能の面で選んだという話は議員を通じて聞いていた。いろんな問題がある中で、不買運動をしている国もある中で、あえてイスラエルから購入するのはどうしてか、聞いてみたい。

 

【感想】

自民党の国防部会長ですら、イスラエル製の殺人ドローン輸入は正面から正当化できないことが明らかになりました。しっかりと早急に防衛省に確認したうえで、イスラエル製を選定することは避けるよう、イニシアチブを発揮してほしいと思います。まだぎりぎり間に合いますので。