

第2次大戦後80年となる節目の年に、日本は憲法前文と9条を一字一句変更していないにもかかわらず、タガの外れた戦争準備にまい進している。「安保3文書」3年目の2025年は、トマホークや12式地対艦ミサイル能力向上型など「敵基地攻撃兵器」の配備が現実化する。また、イスラエル製ドローンの輸入検討に見られるように、国際法違反に加担する武器導入さえ具体化しつつある。この重大な局面において、軍縮にこそ舵を切るために、以下の事項について質問する。
1. 第8地対艦ミサイル連隊について
25年3月に大分県の湯布院駐屯地に、第8地対艦ミサイル連隊が新編される。通常、連隊は4つのミサイル中隊から構成される。湯布院駐屯地に4つのミサイル中隊が配備されるのか、それとも、別々の駐屯地、分屯地に配備されるのか、明らかにされたい。
2. 島嶼防衛用高速滑空弾について
25年度予算にはじめて、取得費293億円が計上された。
2-1 射程距離は2000kmを超えるという報道があるが、正確な射程距離を明らかにされたい。
2-2 26年度から配備を開始する予定であるか。
2-3 配備予定地は、瀬戸内分屯地、宮古島駐屯地、石垣駐屯地、勝連分屯地、湯布院駐屯地等を想定しているか、それ以外の駐屯地を想定しているかを明らかにされたい。
3. 極超音速誘導弾について
25年度予算にはじめて、「製造態勢の拡充等」として、2391億円が計上された。
3-1 これまでのミサイル配備の例にならえば、25年度「製造態勢の拡充等」、26年度取得費計上、27年度から配備、という予定を考えているか。
3-2 射程距離は3000kmを超えるという報道があるが、正確な射程距離を明らかにされたい。
3-3 配備予定地は、瀬戸内分屯地、宮古島駐屯地、石垣駐屯地、勝連分屯地、湯布院駐屯地等を想定しているか、それ以外の駐屯地を想定しているかを明らかにされたい。
4. 潜水艦発射型誘導弾の開発・取得について
4-1 25年度予算に取得費30億円が計上された。これは、たいげい型とそうりゅう型の潜水艦に搭載されるものか。
4-2 呼称を魚雷ではなく誘導弾としている理由は何か。射程距離を明らかにされたい。
5. JSM、JASSMミサイルについて
5-1 これまで発注したもののうち、納入されたミサイルはあるか。
5-2 未納品があれば、何年度に発注したものか、明らかにされたい。
6. 宮崎県の新田原基地に3月までに配備される予定であったF-35Bについて
6-1 納品が遅れている理由を明らかにされたい。
6-2 確定している納期があれば、明らかにされたい。
6-3 新田原基地に配備されたF-35Bは、全機、空母「かが」の艦載機として運用されるのか。
6-4 新田原基地が選定された理由は、「かが」の母港の呉基地に近いから、という情報があるが、それは事実か。
6-5 「いずも」はジャパンマリンユナイテッド株式会社横浜事業所磯子工場に入渠中であるが、これは第2次改修に入っているということか。工期を明らかにされたい。
6-6 「いずも」の艦載機となるF-35Bは、どこに配備するか、予定の基地を明らかにされたい。
7. SM-3ブロックⅡAについて
23年度予算で595億円、24年度予算で699億円、25年度予算で744億円が計上されている。
7-1 23年度、24年度に発注したものは納品されているか。
7-2 納品されていない場合は、納入予定期日を明らかにされたい。
7-3 26年度以降も700億円前後の予算を計上する予定であるか。
8. イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費
865億円という巨額が計上されている。24年度予算に建造費として3,731億円が計上されたばかりである。
8-1 24年度予算3,731億円の契約などは、すべて完了しているか。契約済の金額、未契約の金額があれば、それも明らかにされたい。
8-2 25年度予算865億円の詳細を明らかにされたい。
8-3 26年度以降も、「関連経費」を計上する予定があるかどうか明らかにされたい。
9. GPI(滑空段階迎撃用ミサイル)の日米共同開発について
24年度予算に757億円が計上されているが、その契約状況、開発の進捗状況について明らかにされたい。
10. 火薬庫の整備について
336億円が計上されている。
10-1 建設予定の基地名をすべて明らかにされたい。建設中の基地についてはその進捗状況も含めて明らかにされたい。
10-2 熊本県の健軍駐屯地内に火薬庫はあるか。増設の計画はあるか。
11. 2月4日、神奈川県の厚木基地で、米空軍のC-17輸送機に、陸上自衛隊のCH-47JAを搭載する、「搭載検証」が行われた。防衛省が発表している日米合同同委員会の概要には、この搭載検証に関する合意内容は見当たらない。
11-1 この搭載検証は、在日米軍とのどのような協定を根拠として実施されたか。
11-2 防衛省の所管部署はどこになるか。
11-3 今回の「搭載検証」の、検討から実施に至る経過を明らかにされたい。
11-4 厚木基地の米軍住宅地域付近に6〜7階建ての建物が建築中であるが、
これは、令和5年度南関東防衛局発注の工事の中の、厚木米軍工場新築工事(契約金額6億8200万円)なのか。また、米軍の工場の建設を南関東防衛局が発注している、つまり日本政府の予算で支出するのはどのような根拠に基づくものなのか明らかにされたい。
12. 血液管理を含めた統合衛生情報システムの整備に52億円が計上されているが、これは純粋にシステムの整備費用だけか。
13. 野外手術システムの整備に3億円、参考器材の取得に9億円が計上されているが、「参考器材」とは、具体的には何か。
14. 鹿児島県の馬毛島の自衛隊基地工事に関連して
昨年10月、スリランカ人の労働者が雨水を集める深さ4メートルの穴にショベルカーごと転落し、死亡したと報道されている。
14-1 馬毛島から病院への搬出は、どのような手段で行ったのか。
14-2 馬毛島工事は、24時間体制で行っているのか。
14-3 夜間工事の監督体制は、見直したかどうかを明らかにされたい。
14-4 この事故の責任は防衛省にあると考えるが、関係者の懲戒処分を行ったのかどうか、明らかにされたい。
14-5 馬毛島の工事予算は、24年度補正予算で1377億円と報道されているが、これで間違いないか。また。25年度予算ではいくら計上しているか、累計予算額、累計契約額はいくらになっているか(24年12月末または25年1月末時点で)、明らかにされたい。
14-6 滑走路予定地は土質が粘土質のため、深く掘り下げて土の入れ替えをする必要があると聞いているが、これは事実か。
14-7 土の入れ替えを決定したのはいつの時点か。また、工事着工以前には土質は確認していなかったのかどうか、明らかにされたい。
14-8 滑走路の完成はいつ頃を見込んでいるか、完成検査はどのような基準に基づいて、誰が行うのか(防衛省か、国土交通省か)明らかにされたい。
14-9 建設中の航空機燃料タンクは、どのくらいの容量のものを何棟建てるのか。
14-10 不整地着陸訓練施設、F-35B模擬艦艇発着艦訓練施設の予算を明らかにされたい。また、この2つの施設の工事はまだ未着工であるかどうか、明らかにされたい。
15. 12式地対艦ミサイル能力向上型の配備について
25年度に配備が始まる12式地対艦ミサイル能力向上型とトマホークは1000kmを超える長射程であることから、「敵基地攻撃兵器」として、周辺国から標的となるリスクを周辺自治体・住民に押し付けることになる。そのため、十分な理解と納得のないままの配備強行はあり得ない。
12式地対艦ミサイル能力向上型について、防衛省は25年度から部隊配備を順次進めていくとしている。24年11月26日の意見交換において、「住民への事前の説明会を開催するかどうか明らかにされたい」との質問に貴省は、「部隊改編等にあたっては、今後とも関係自治体と調整を行いながら、様々な形で情報提供させていただく」と回答した。
15-1 現時点で、今まで「調整」や「情報提供」を行ってきた「関係自治体」とは具体的にどこか。
15-2 いつ、どのような「調整」「情報提供」を行ったのか。今まで行った具体的な内容を明らかにされたい。また、今後の「情報提供」の予定時期と内容も示されたい。
15-3 12式能力向上型の配備予定地、またそれぞれの予定時期を具体的に示されたい(保管する火薬庫も含む)。
15-4 配備(保管)予定地の住民への複数回の事前説明会を実施し、十分な了解が得られなければ配備を強行すべきではないと考えるが、事前説明会を開催する意思はあるか。
15-5 部隊配備や火薬庫への保管を実施する場合、製造拠点(三菱重工小牧北工場など)から部隊ないし火薬庫へ運搬する交通手段は何を予定しているか。
15-6 ミサイルが運搬されるルート周辺の自治体・住民に対して、事前にその旨を告知すべきと考えるがいかがか。
15-7 12式能力向上型の発射装置(車両)の配備は行われているのか、また、今後の予定はいつか、どの部隊なのか、明らかにされたい。
16. トマホークの配備について
16-1 トマホークを25年度より取得するとしているが、保管する火薬庫はどこになるのか。未定であればいつ明らかになる見込みか。
16-2 これについても、現時点で「調整」や「情報提供」を行ってきた「関係自治体」名とその時期、内容を明らかにされたい。
16-3 今後の「調整」「情報提供」の予定時期と内容についても明らかにされたい。
16-4 その中に住民への事前説明会は含まれるのか。
17. 各種の「無人アセット防衛能力」について
17-1 概算要求の段階でも尋ねたが、「無人アセット防衛能力」約1,110億円の具体的な内訳を、金額と契約企業名も含めて、一覧の形で示されたい。
17-2 滞空型UAV「MQ-9B(シーガーディアン)」2機の取得費415億円が計上されているが、1機分の価格と地上操縦装置の調達・関連経費について、それぞれ具体的な内訳を示されたい。
17-3 今後かかる維持整備費の金額の見通しと具体的な内容(整備員の人件費など)を示されたい。
17-4 艦載型UAVとして米シールドAI社の「V-BAT」6機分の取得費40億円が計上された。同機は約11キログラムの爆薬を運び、地上に投下できるとされている。同機に攻撃機能を付加する見込みか。
17-5 取得費が計上された中域用UAV機能向上型(2式:42億円)、狭域用UAV(173式:47億円)、狭域用UAV汎用型(383式:11億円)について、貴省は、実証試験は実施しておらず、24年12月20日時点で採用機種の決定時期は決まっていないと答えていた。この型については実証試験はしないという理解でいいか。また、それぞれについて機種は決定されたのか。機種名、製造企業名、製造国名、輸入代理店名、契約金額を示されたい。未定であれば、いつ決定されるのか。
18. 小型攻撃用UAVの取得と運用について
18-1 25年度の取得費32億円(1機種、310式分)が計上された小型攻撃用UAVについて、本採用のための一般競争入札の予定時期と最終選定の予定時期を示されたい。
18-2 一般競争入札で応募を募ったうえで、どのような基準や要素に基づいて、最終的な機種選定を行うのか。
18-3 事前に実施された運用実証試験に契約していない企業の応募も可能なのか、採用される可能性もあるのか。
18-4 小型攻撃用UAVの今後かかる維持整備費の金額の見通しと具体的な内容(整備員の人件費など)を示されたい。
18-5 小型攻撃用UAVは陸上自衛隊のどの地域のどの部隊に配備予定なのか。
18-6 また、運用地域として、南西諸島を想定しているか。
18-7 「予算案の概要」の「無人アセット防衛能力」の項目にある「陸上での無人アセット(イメージ)」の図では、「敵上陸部隊」への小型攻撃用UAVの使用が描かれている。南西諸島を含む日本の国土における使用を想定しているという理解で間違いないか。
18-8 小型攻撃用UAV(より大型のものも含めて)は米軍やイスラエル軍などによって使用されているが、民間人の巻き添え被害(戦争犯罪に該当)が多数報告されている。もし、自衛隊がそうした戦争犯罪を犯した場合、住民への補償などは検討されているのか。
19. イスラエル製UAVの輸入検討について
24年9月18日、国連人権専門家グループは、ICJ(国際司法裁判所)の勧告的意見(2024年7月19日/イスラエルによるパレスチナ占領は国際法に違反し、イスラエルは入植活動をただちに停止する義務がある )と国際法を確実に順守するために加盟国に具体的に行動をとるべき点を示す声明を公表した。
https://www.ohchr.org/en/statements/2024/09/un-experts-warn-international-order-knifes-edge-urge-states-comply-icj-advisory
19-1 まず、この声明について、防衛省はこの質問を送る前に知っていたか。
19-2 声明には、
「4 イスラエルに対して全面的な武器禁輸を課し、武器に関わる全ての合意や、占領下のパレスチナ人に対して使用され得るディアルユース品目も含む全ての輸出・輸入・移転を停止すること」
と明記されている。
防衛省が、小型攻撃用UAVや多用途・攻撃用UAVの運用実証試験において、多数のイスラエル製ドローンを契約に含め、25年度に取得する小型攻撃用UAVの採用候補からイスラエル製をいまだに除外していないことは、この声明に明らかに抵触している。防衛省として、同様の認識はあるか、明確にされたい。
19-3 24年7月19日のICJの勧告的意見について、日本政府は賛成の立場を表明している。イスラエル製ドローンを輸入対象から外さない防衛省の姿勢は、日本政府の立場にも反していると考えるがいかがか。
19-4 川崎重工は、防衛省に「多用途・攻撃型UAV」として売り込んでいるイスラエルIAI社製のドローン「Heron MK Ⅱ」と同型の、しかも、ヨルダン川西岸地区でついこの前まで実戦使用(偵察任務)されていたと見られる機体を南紀白浜空港に持ち込み、24年12月3日から災害目的での飛行試験を開始している(週1~2回、2027年頃まで和歌山、三重の沖合を飛行させ、データ収集や地上撮影を実施見込み)。他国で国際法違反の指摘も受けながら実戦使用されていた武器を、そのまま国内に持ちこみ、運用することに法的問題はないか。また、倫理的に問題はないか。防衛省としてこの件をいつ把握したのかも含めて、明らかにされたい。
20. 国内武器見本市への後援について
5月21日から23日にかけて、千葉県の施設である幕張メッセにおいて、第3回の総合武器見本市「DSEI Japan」が開催される。24年10月の東京ビッグサイトでの「国際航空宇宙展」と同様に、エルビット・システムズなどイスラエルの軍需企業や、24年6月20日の国連専門家による声明で「イスラエルに武器輸出している」として名指しで非難された米ロッキード・マーチン、RTX(旧レイセオン)、ボーイング、英BAEシステムズなどの欧米軍需企業の出展が見込まれている。国際人道・人権法に違反する軍需企業が出展する武器見本市を後援することは、24年9月18日の国連人権専門家声明に明らかに抵触する。後援を出すことをやめるべきと考えるがいかがか。
21. 武器輸出促進基金について
24年11月26日の意見交換において、貴省は、24年度予算に計上した「防衛装備円滑化基金」400億円のうち、認定したのはインドへの艦艇搭載用複合通信空中線(通称:ユニコーン)分の約15億円に過ぎず、支払いはそのうち約1億円に過ぎないと回答していた。その後、1月29日の朝日新聞においてこの件が大きく報じられ、2月5日の衆議院予算委員会省庁別審査などにおいても繰り返し問題にされている。貴省の答弁は変更されていない。
21-1 23年度に計上した400億円について、根拠として積み上げた武器輸出案件の数はいくつだったか。
21-2 24年度に計上した400億円についてはいくつだったか。
21-3 25年度も同額の400億円を計上しており、累計で1200億円に達することになる。防衛省は「案件を積み上げた結果、新年度に1200億円程度まで認定する可能性がある」(1月29日、朝日)としており、豪州への新型フリゲート艦の輸出(共同開発)を例として国会答弁している。わずか15億円だったものが1200億円まで膨れ上がるとは想定しがたいが、25年度に根拠として積み上げた案件数と内容を明らかにされたい。
22. 豪州へのフリゲート艦輸出について
24年12月13日、防衛省は「豪州政府の次期汎用フリゲートの共同開発・生産に向けた官民合同推進委員会」の第1回会合を開催した。
22-1 委員会に出席した民間企業名をすべて明らかにされたい。
22-2 受注に向けた防衛省としての今後の大まかな作業日程を示されたい。また、今後の豪州政府の選定プロセスと最終決定時期の見込みも示されたい。
23. 海外武器見本市への出展について
24年度に3億円を計上した「国際装備展示会への出展」経費について、実際に出展した展示会名と出展企業の一覧を示されたい。また、1億円増額して4億円を計上した25年度の予算案について、出展予定の展示会名(期日も)を示し、増額の根拠を明らかにされたい。
以上の質問に文書で回答されたい。