杉原こうじのブログ2

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司の綴るブログです。こちらのブログ https://kosugihara.exblog.jp/ の続編となります。

【撤回を!】防衛省が無人攻撃機の導入候補にイスラエル製多数を選定!

2月24日に放送された番組での「イスラエル無人攻撃機」の画像

 

戦慄すべき事実が明らかになりました。2月20日に「大軍拡と基地強化にNO!アクション2023」が行った防衛省交渉において、防衛省は、「無人アセット防衛能力」の名で2023年度予算に計上している「小型攻撃用UAV」(30億円)、「多用途/攻撃用UAV」(69億円)の「運用実証」について、1月に選定した無人攻撃機の候補機名を公表しました。

【小型無人攻撃機
エルビット・システムズのSkyStriker
IAIのROTEM L
IAIのPoint-Blank
UvisonのHERO-120
※他に豪州DefendTexのdrone81
↑上記のほとんどは自爆型ドローンです。

【多用途無人攻撃機
IAIのheron
※他にSUBARUVtol

IAI製の「Point-Blank」が自爆攻撃する動画はこちらから見られます
https://www.iai.co.il/p/point-blank

なんと、小型機は5機中4機が、多用途機は2機中1機がイスラエル製で、合わせて7機中5機となります。伊藤忠と日本エヤークラフトサプライが協力を終了させたばかりのエルビットが入り、同じく軍需大手のIAIが3機も含まれています。防衛省は、「一般競争入札で、要求性能を満たし、一番安かったところが入る」と説明していますが、イスラエル偏重は明白です。

選定した1月は、まさしくガザにおけるイスラエルのジェノサイド・民族浄化が激しさを増していた時期(今なおそうですが)であり、およそあり得ない決定です。

伊藤忠はエルビットとの協力覚書を終了する理由として、イスラエルにジェノサイドを防止するためのあらゆる措置を取るよう命じた国際司法裁判所(ICJ)の仮保全命令と、ICJの命令は「誠意を持って履行されなければならない」とした上川陽子外相の談話をあげていました。つまり、「伊藤忠商事は、イスラエルの軍事企業との取引がイスラエルのジェノサイドへの共犯となることを認めている」(高橋宗瑠さんの『アルジャジーラ』への寄稿)のです。

民間企業が協力覚書の段階で関係を断ったにもかかわらず、防衛省が、こともあろうに虐殺を支えている軍需企業の武器を税金で購入するとは言語道断です。まるでウクライナへの侵略戦争を続けるロシアの武器を買うに等しい暴挙であり、これほど露骨な虐殺への共犯行為はないでしょう。

防衛省によれば、3月末までに製造国(イスラエルなど)のテストフィールドで実証試験を行ってもらい、結果の報告を出させたうえで、「しかるべきタイミングで」機種の絞り込みも含めた本格導入の決定を行うとの流れです。

当面は3月末までが最初のヤマ場です。それぞれの候補機の輸入代理店を確認したうえで、強力な反対運動をつくり出す必要があります。パレスチナ人を実験台にして、その命と引き替えに開発された血まみれの武器の導入を必ず阻止しましょう。

まずは、木原稔防衛大臣防衛省に「イスラエル製の無人攻撃機の導入を中止に」「無人攻撃機なんかいらない」の声を届けてください! また、この恐るべき事実を多くの市民やメディア関係者、国会議員などに大至急伝えてください!

木原稔防衛大臣(国会事務所)
FAX 03-3508-3970

防衛省
メールフォーム https://www.mod.go.jp/j/form/goikenbako.html

-----------------------------

★2月24日に放送されたネット番組「日本でパレスチナのためにしたこと・できること~イスラエルの兵器と日本の関係」(D2021×CLP)の中で、この件について杉原が 21分15秒~37分9秒 で話しています。ご参照ください。
https://www.youtube.com/live/WRI2m5t0mg8

※番組では、製造したロボットがイスラエルのエルビットやIAIなど最大手軍需企業や、ガザ虐殺の砲弾を製造する米英の軍需企業の工場で使われている日本企業「FANUC」(ファナック、本社は山梨)についても告発されています。ぜひ全体をご覧ください。(FANUCについては、改めてお伝えします)