杉原こうじのブログ2

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司の綴るブログです。こちらのブログ https://kosugihara.exblog.jp/ の続編となります。

【速報】「NO虐殺ドローン!」サミット本部への要請行動に20人!(要請書全文転載)

1月16日午後、サミット本部前での要請行動(撮影 金浦蜜鷹さん)

1月16日、サミット本部への要請を終えて(撮影 杉並1000人委員会)

 

 1月16日午後、スーパー「サミット」が、親会社の住友商事に「イスラエル製攻撃型ドローンの輸入をやめてください」と働きかけるよう申し入れる要請行動が行われました。呼びかけたのは地元の「戦争をさせない杉並1000人委員会」。ちょうどガザでの「停戦」合意が発表された直後のタイミング(イスラエル軍はなおも虐殺を継続中)。
 寒さの中、西永福駅そばの井の頭通り沿いにあるサミット本部前には、埼玉や川崎、都内各地からの参加者も含めて20人が駆けつけました。
 サミットの会長、社長宛ての要請であるにもかかわらず、対応したのは親会社の住友商事の若手社員2人。杉並1000人委員会共同代表の福士敬子さんが要請書(後掲)を読み上げ、手渡しました(「サミットにも渡してほしい」と念押しも)。通行人はそれほど多くはなかったものの、目を留めていく人は少なくなかったそうです。
 住友商事の社員は「小型ドローンの実証試験契約は既に終了している」と主張したそうですが、要請項目にある通り、市民側が問題にしているのは、本採用のための一般競争入札への応募を断念することです。BDS(ボイコット、投資引き揚げ、制裁)の働きかけをより一層強めていく必要があります。
(なお、杉原は体調不良のため、参加できませんでした。)

---------------------------------------------

【要請書】

サミット株式会社
 取締役会長 竹野浩樹様
 代表取締役社長 服部哲也様

貴社の「生みの親」である住友商事が、イスラエルの"死の商人"から攻撃型ドローンを輸入しないよう声を上げることを強く求めます

 2023年の10月以来、イスラエルのガザ侵攻により最低でも4万5000人を超えるパレスチナの人々が虐殺されています。しかもその多くは子どもと女性たちです。それに対し、国連では繰り返しイスラエルに対し侵攻や虐殺を止めるよう決議が採択されています。2024年9月18日には、イスラエルによるパレスチナ占領政策は違法だとする国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を受けて、国連総会でイスラエルに対し占領状態を終わらせるよう求める決議が、日本を含む124か国の賛成多数で採択されました。しかし、イスラエルはさらに、レバノンやシリア、イエメンにも空爆と侵攻を続けています。

 そのイスラエルから、防衛省は攻撃型ドローンを買おうとしています。2024年2月、市民団体による防衛省交渉を通じて、導入に向けた実証試験を行なう7機中の5機までがイスラエル製であることが明らかになりました。また、住商エアロシステム、川崎重工、日本エヤークラフトサプライ、海外物産の4社がイスラエル製ドローンの実証試験契約の輸入代理店となっていることも判明しました。その後、イスラエル製以外の2機種が実証試験の契約に追加されたことが分かり、イスラエル製は9機中の5機となっています。

 運用実証が行われている機体の製造元には、エルビット・システムズやIAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)など、イスラエルの代表格である軍需企業が名を連ねています。これらの企業はイスラエル軍に武器を供給しており、防衛省は、今まさにパレスチナ人を虐殺することで「性能が実証」された武器を導入しようとしています。
  ICJは2024年1月26日、イスラエルに対し、ジェノサイド行為を防ぐあらゆる手段を講じることなどを求める暫定措置命令を出しました。それを受けて上川陽子外務大臣は「誠実に履行されるべきもの」との談話を出し、命令を遵守する姿勢を示しました。こうした判断を踏まえ、伊藤忠商事の子会社である伊藤忠アビエーションがエルビット・システムズと結んでいた協力覚書を2月末で終了させ、日本エヤークラフトサプライも追随しました。
 それなのに防衛省は2024年1月下旬に実証試験の機種を決め、命令発出以降もイスラエルでの実証試験を継続させました。

 オランダやコロンビア、カナダなど諸外国ではイスラエルとの武器取引を停止する動きが相次いでいます。2024年11月、国際刑事裁判所ICC)はイスラエルのネタニヤフ首相らに戦争犯罪や人道に対する罪の疑いで逮捕状を発行しました。こうした中で、日本政府がよりによってイスラエル製を攻撃型ドローン導入の有力な選択肢として保持し続けること自体が、イスラエルによる虐殺を容認するとのメッセージを国際社会に発することです。それは、イスラエルによるジェノサイド犯罪、戦争犯罪アパルトヘイト犯罪への深刻な加担です。

 輸入代理店4社がイスラエルの虐殺への加担を「国策への貢献」という言い訳でごまかせると考えているのであれば、大問題です。民間企業もまた、自らの判断によってジェノサイドに加担しない責任があります。ICJの暫定措置命令を受けて、エルビット・システムズとの協力覚書を終了させた伊藤忠アビエーションなどの先例にならうべきです。

 防衛省は2025年度概算要求で小型の自爆型ドローン1機種310機分の取得費30億円を計上しました。2025年春には本採用のための一般競争入札が実施されると見られます。住友商事の100%子会社である住商エアロシステムは、イスラエルの軍需企業であるUvisionの「HERO-120」の実証試験契約を受注し、既に税金をイスラエル企業に流し、自らも利益をあげています。これ以上の虐殺加担をやめるべきです。

 以上にもとづき、私たちは住友商事が100%の株主になっている貴社に対して訴えます。

住商エアロシステムが小型の自爆型ドローンの一般競争入札への参加を断念し、今後イスラエル軍需企業と一切の取引を行なわないように、親会社の住友商事に強く要求すること。

 スーパーマーケットは人々の命と暮らしを支え、守るところです。人々の命と暮らしを奪い続けるイスラエル製の攻撃型ドローンの輸入によって、グループ企業が利益をあげることを決して許してはなりません。

2025年1月16日

 戦争をさせない杉並1000人委員会(共同代表 福士敬子、長谷川和男)