杉原こうじのブログ2

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司の綴るブログです。こちらのブログ https://kosugihara.exblog.jp/ の続編となります。

ファナック九州支店抗議行動に連帯メッセージを送りました


6月30日、熊本県菊地郡にあるファナック九州支店への抗議行動が取り組まれました。呼びかけは「福岡パレスチナの会」(吉田登志夫代表)。ファナックに対して、①世界全ての軍需兵器工場でのファナック社ロボットの使用とメンテナンス業務をストップすること ②イスラエル最大都市テルアビブのファナックイスラエル支店を閉鎖し、イスラエルからファナック社業務を完全撤収すること、を要請されました。福岡から19人、熊本から14人の参加があり、ファナック門前集会中は雨は降らず、約1時間半の行動をやり終えたそうです。

私は4月7日に福岡での講演に招かれたご縁もあって、連帯メッセージをお送りしました。ご一読ください。

------------------------------------

ファナック九州支店抗議行動への連帯メッセージ

 ファナック九州支店への抗議行動に参加された皆さんに、東京から連帯のメッセージをお送りします。私は事情があって参加できませんでしたが、6月27日、山梨県忍野村(おしのむら)の本社で行われたファナック株主総会への抗議行動に、地元山梨をはじめ、関西、愛知、長野、東京から20数人が参加しました。ファナックは追加の署名は受け取ったものの、見解は「お答えできません」とのことで、前回の署名提出の際と同様の不誠実な対応でした。この日は大阪支社への抗議行動も行われましたが、誰も対応せず、要請書の受け取りも拒否するひどい対応だったそうです。
 ファナックは、メディアの取材に「過去5年、当該軍需企業に軍事的な用途の販売は行っていません」と答えていますが、外為法(がいためほう)の「グループA」に分類される米英でのエンドユーザー(最終顧客)や用途確認の義務はなく、「大量破壊兵器」用途以外の通常兵器の場合の確認も不十分です。また、欧州の子会社から商社などに販売した場合も、エンドユーザー(最終顧客)が未確認であることも分かっています。抜け穴の存在は明らかです。実際に複数の写真や動画によって、イスラエルが用いる武器の製造に自社製の産業ロボットが使用されている疑惑が発覚した以上、ただちに事実確認を行い、説明責任を果たすべきでしょう。あまりにも無責任だと言わざるを得ません。
 ただ、民生品による虐殺加担は、ファナックに限るものではありません。例えばパナソニックの頑丈なノートパソコンである「タブブック」は、以前から、米軍の中東などにおける戦争犯罪に使用されたり、原子力潜水艦に組み込まれていることが分かっています。また、イスラエル軍も実戦で使用しており、防衛省が輸入しようとしている自爆型ドローンの試験映像にもしっかりと映り込んでいます。一方で、日本が敵対する国への民生品輸出については、大川原化工機事件に見られるように、公安警察が「経済安保」を口実に、冤罪を引き起こしてまで弾圧する状況です。
 ファナックのケースは、経産省による輸出管理のズサンな実態を浮き彫りにしたと同時に、イスラエルによるジェノサイドへの加担という取り返しのつかない罪を自覚すらできない日本企業の劣化ぶりも示しています。だからこそ、虐殺現場に最も近いファナックを止めることは、表に出ていない日本企業の加担に歯止めをかけることにもつながります。
 ファナックのシンボルカラーは黄色ですが、イエローカードどころか、血まみれのレッドカードが既に出されています。ファナックは虐殺への加担をただちにやめるべきです。イスラエル製の攻撃型ドローンの輸入問題もそうですが、虐殺加担は必ず止めなければいけません。それを可能にするのは、市民運動の知恵とパワーです。一日も早く結果を出すために、これからも連帯して、粘り強い取り組みを展開していきましょう。

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表 杉原浩司