杉原こうじのブログ2

武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司の綴るブログです。こちらのブログ https://kosugihara.exblog.jp/ の続編となります。

【紹介】5.22官邸前緊急行動への伊藤和子弁護士のメッセージ


◆「戦争犯罪人ネタニヤフを逮捕しろ!日本政府はICCの逮捕状請求を支持し、イスラエルに制裁を!5.22官邸前緊急行動」に寄せられた伊藤和子弁護士からのメッセージ

 

 ICC検察官は、イスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防省ハマス指導者に対し、逮捕状を請求しました。ネタニヤフ氏らの容疑は、戦闘手段としての市民に対する生存手段のはく奪、非人道的な取り扱い、意図的な殺害等に関連する戦争犯罪、殺人、せん滅、非人道行為等に関連する人道に対する罪です。
 これに対し、イスラエルや同盟国アメリカは戦争犯罪を否定し、激怒しています。
 しかし、私たちはガザの人たちが虐殺されるのを見てきました。既に35000人を超す尊いガザの人たちの命を奪う軍事作戦をしてきたことは世界が目撃する通りです。犠牲者の多くは戦闘と関係のない子ども、そして女性たちです。
 民間人を虫けらのように殺す戦争を指導したイスラエルのリーダーは戦争犯罪容疑で裁かれなければなりません。そうでなくして、どこに世界の正義があるでしょうか。
 イスラエル国際法違反は、今に始まったことではありません。
 国連調査団は、2009年と2014年のガザでの軍事行動は戦争犯罪の蓋然性があると指摘しています。しかし、強大な力が働き、イスラエル指導者が訴追されることはありませんでした。どんな重大な人権侵害を犯しても裁かれないとしたら、イスラエルはガザの人々をいつでも虐殺できるライセンスを常に持っていることになります。そんなことがこの地球上で許されてはなりません。
 いま、圧倒的な事実と証拠に基づき、逮捕状を請求したICC検察官やさらにはICC裁判官に対してまで、米国が制裁の対象としようとしています。公正・中立な司法機関の判断を根底から歪めようとする、かつてない規模の暴力的な脅しと圧力がICCにのしかかろうとしています。しかし、なぜウクライナにおけるロシアの戦争犯罪を訴追することは称賛され、ガザにおけるイスラエル戦争犯罪を訴追すると脅迫されなければならないのか。こんなダブルスタンダードと司法への脅しを許してよいはずがありません。
 裁判所に対する政治的圧力を黙って見ていることは、これ以上の虐殺を黙って見ていることと同じです。
 日本はICC加盟国としてICCによる真相究明の動きを支持し、ICCの中立性と役割を尊重し、いかなる妨害や脅しも許されないと強い態度表明をすべきです。そして私たち市民の力でICCの訴追の動きをサポートしましょう。誰もが恐怖を味わうことなく、当然の正義が実現できる国際社会を作っていかなくてはなりません。
 そして、戦争犯罪容疑がかけられたイスラエルの軍事行動に、日本政府と日本企業は絶対に加担すべきではありません。その点でも市民の行動は極めて重要です。
 最後に、ジェノサイドをやめさせるために、日本から声を上げている皆さんに心から敬意を表し連帯します。イスラエル国際法違反の軍事行動と虐殺を一刻も早く終わらせ、停戦を実現するために、パレスチナの人々の尊厳が回復するまで、共に頑張りましょう。

 ヒューマンライツ・ナウ副理事長 弁護士 伊藤和子